■ 「さらば、愛しき女よ」について (長島良江)

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 自作について語ることで、自意識の肥大を晒してしまうのではと恐れるあまり、なかなか投稿できずに上映日前日となってしまいました。このまま投稿しないのも自意識に負けた気がするので、語らせて頂きます。

 女2人の関係が拗れていき、殴り合いとまではいかなくても罵り合いにまで発展するような映画は、悪趣味かもしれませんが好きです。出来れば、恋愛が絡んでいない女性同士の関係が良い。一番単純で過酷な一対だと思うのです。

 この物語の姉妹が罵り合う時、そこには憎しみだけがあるのだろうか。相手を大切に思うのと同時に、相手を憎むのではないか。そのような感情は特別なものではないはずだ。優しさと残忍さは同居し得る。そして、そんな気持ちに恐れおののいている。この姉妹の生活は我慢比べのゲームで、二人ともゲームを破綻させたい欲望を抱え、このような結末がやってくるのを予想していたし、望んでいた。お互いを強く必要としているのに、お互いに捨て、捨てられることを望んでいた。

 以上のような考えに取りつかれ、「さらば、愛しき女よ」のシナリオを書きました。そしてまだ女と女、性差、といったものへの執着から脱け出せていません。破壊衝動のみを描いたお話ですので、その後姉妹はどのように生きるのか、早く発見したいと思っています。

 最後に一言。この作品に出演してくれた、粟津慶子さんと小出豊さんの作品と同じプログラムで上映されることを、とても嬉しく思います。「犬情」と「お城が見える」を見た後で、二人の姿を「さらば、愛しき女よ」で確認して頂けたらと思います。
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