高橋セレクション "12+1" アーカイブ | 『狂気の海』: 公式 HP

高橋セレクション "12+1" アーカイブ

saraba.jpg2006年/10分/DV

監督:長島良江 スタッフ:隅達昭、千田一恵、橋詰和幸

出演:粟津慶子、長島良江、小出豊

■姉は足の不自由な妹の世話をし、妹は姉を気遣う。穏やかに見えたその生活は、きっかけさえあれば崩れる危うい均衡の上に成り立っていた。愛憎は裏表ではなく、渾然一体となり姉妹の心に存在していた。

●人間には、一緒に暮らす肉親にしか見せない顔があって、そんな顔をふと第三者がかいま見たりしたらドキリとする、いや考えてみたら誰だって思いあたる当たり前のことなのに、見たこともない人間が立ち現れていくように感じる、小津の映画はそういうことをやろうとしてたんじゃないかと思う時があるのだが、この短篇はまさにそのように人間を発見してゆく演出のドキュメンタリーとして見えた。(高橋洋)

toppin.jpg2005年/20分/DV

監督:宮本亮 
出演:幸修司、杉原利明、氏原大、佐々木秀明 

■映画美学校同期の友人が実家に帰ると聞きつけ、ならば彼を利用して言いたいことを言おうと作りました。人物のエピソードは実話、物語はそこから想像される未来です。3年後の現在、僕達は居場所も心もばらばらになったけれど、そのきっかけは本作なのかもしれません。

 ●『山嵐』とは違った意味で、その時、その場所でしかあり得なかった人と人との関係を捉え得た青春映画の佳篇。冒頭の見る者を引き込むショットから、説得に訪れる友人たちが次々と論破されてゆく愉快さ、エンターテインメントとして見せ切る妙はなかなかのものです。周囲の関係者からは監督本人が出演していないことに非難が集中しているそうですが、本当にそうだ。(高橋洋)

2001.jpg2001年/15分/DV

監督:黒沢清 出演:市沢真吾、高橋洋、古澤健、藤森朋果

 ■2001年に群馬県で行われた国民文化祭で高崎市が主催したシンポジウム「21世紀と映像表現の可能性」のために制作された短編。黒沢清が自ら撮影して来た世界各地の映像に、不穏な空気を称えた男たちが繰り広げる暴力の描写が挿入される。9.11直後、その時代の気分を的確に示した傑作。

高橋「この映画、何なんですか?」
黒沢「何なんだって君、映画と旅だよ。旅の途中で撮っていたの!」
高橋「しかしよくまあ旅客機をこんな風に」
黒沢「撮っていたんだな、これが」
高橋「この影がいくつもよぎってゆくところなんか『千と千尋』の影響が」
黒沢「見てないけどね。それより判ってくれた? 暗くて判りにくいかも知れないけど、この人。くっくっく、この人ねえ」
高橋「トビー・フーパーですね」
黒沢「ああそう」
高橋「で、僕の役は何だったんですか?」
黒沢「忘れた」