■ 『犬情』

inu.jpg2002年/18分/DV

監督・脚本・撮影:粟津慶子
出演:外川恭子、仁藤かおり、関雅晴

■夜勤の週、部屋を真暗にして眠る男は、工場の風呂場の夢を見ていた。その風呂場には昨日、見知らぬ女が入っていたという。男が風呂場の戸を開けると、そこには温かく愛おしい眼差しが待っていた。

★第1回美学校映画祭井川賞受賞。

●田舎町に住む人々がふとした瞬間に見てしまう妄想を描いた作品。その妄想の中に登場する女を見て、知人は「昔、ああいう女を夜の町で見かけたことがある」と言っていた。彼の話によると、長期にわたってピルを服用して夜の街角に立っていると、あんなふうに体が生っ白く肥えてくるのだという。果たしてその話がどこまで真実なのかは分からないが、『犬情』は見る者の中に潜む忌まわしい記憶や欲望をあぶりだす映画であることだけはたしかである。実に不吉な映画だ。(井川耕一郎)

このエントリーをはてなブックマークに追加